物語 ~ストーリーを語る究極の【形式】~

碓氷です。

「人生で経験したすべての逆境、トラブル、障害が私を強くしてくれた。」

by ウォルト・ディズニー

『機能的価値だけでは不十分。感情的価値を含めよ。』

なんてことが昨今、Web界隈では言われています。

実はこれ、数十年前からあった主張なんですよ。

というか、ジブリのキャッチコピーなんてのは

創業当初からこの文言を遵守しています。

(ジブリのコピーは本当に驚嘆ものです。)

 

感情的価値、自分の感性が喜ぶ表現。

そういうものが情報が溢れかえってる現代では

再び重要視されるようになっているということです。

 

どんなにお役立ち情報であっても、

それが論文調じゃ面白くもなんともない。

しかも『手に入れて、どうなるんですか?』

という疑問にも答えられない。

 

そんなんじゃ、当然のように誰も興味を持ちません。

だって『つまんないんだもん』ね。

未来がないわけですよ。手に入れた後どうなるのか?って部分が。

私たちの一般的な感覚からすれば、

時間は、『過去→現在→未来』と進んでいますから、

『現在』は『未来』に向けて何かをする時間なんですよ。

『未来』を『現在』よりも良いものにするためにね。

 

だから『現在これを購入して、未来はどうなるんじゃい!!!』

と気になる消費者が大多数を占めているわけです。

ちなみに、これが気にならないな〜という方は

『浪費者』と言って良いでしょう。笑

 

『現在より良い未来』が見えなければ、

消費者は商品を購入しようとは思いません。

今よりおしゃれになりたいから、洋服を買いますし、

今より稼げるようになりたいから、方法論を買うわけです。

 

『現在より優れた未来』を提示するというのは、

商売において欠かせない要素なのですよ。

 

では、お客様にそれを提示するのか。

それが【ストーリー】【物語】なのです。

 

なんてありきたりな前置きで始めましょう。

そもそもストーリーって何なん?

『物語の定義を教えてください。』

そう聞かれて、パッと答えられる人はそう多くないでしょう。

 

我々は自分が経験した「物語」を持っていますし、

これまで人類が歩んだ「歴史」も「Hi-story」です。

じゃあ、物語の定義って何なのか。

 

私の物語の定義をお伝えしましょう。それは

【時系列順に並んだ経験】

です。

 

どんな物語でも、過去から現在、そして未来へと物語が紡がれます。

最近よく見るのは

「過去はダメだった、だがある出会いから最高の現在を作った。」

という形式。

 

ありがちです。

それを語ることでお客様に未来を見せています。

ですが...

物語とはこんなたったの3項で語れるほど甘くはありません。

というか荒削りすぎて、良さが失われまくっている。

 

我々は時系列順に経験を述べることで、

非常に簡単に物語を語ることができます。

そこには必ず『変化』があるからです。

身長が伸びたり、パートナーができたり、

収入が増えたりなどなどなど。

 

そもそも、我々が物語を書く目的って何だったのか。

『感情的価値の創出』ですよね。

読んだ方の感情を昂らせ、未来に希望を抱いて欲しい。

だから我々は物語を紡ぐわけです。

 

そこには『テーマ』がなければいけない。

伝えたいことがなければ、物語は成立しないのです。

人生を切り取り、額縁に填める。

自分の人生を事細かに語ったらかと言って、

そこには『テーマ』がないのです。

 

つまり、目的を考えれば物語はこう定義することもできます。

【テーマに沿った人生経験の編集済みコンテンツ】

人生をテーマに沿って切り取り、

感情豊かに描写しながら、テーマを伝えていく。

 

ちなみに、小説のほとんどはこうして作られています。

まずはキャラクターの人生を作り上げ、

そこからテーマに沿って編集することで、

そこに『面白い物語』が完成するわけですね。

 

おそらく、これを手に取っている方のほとんどは

小説家志望ではなく、商売人志望でしょう。

ここでは『人生を切り取る』という方向性で進めます。

 

さて、おおよそ物語の概要は理解できたでしょう。

 

読者の感情を昂らせ、未来に対する希望を与えたい。

そのためには、『テーマ』が不可欠であり、

『感情』をありありと表現しないことには、

読者の感情も追従してこない。

 

ということです。

物語を書く前に...

商売をする中で、プロフィール・ストーリーを用いる場面もあるでしょう。

これからいつ、物語を書くかもわかりませんし。

いざ物語を描こう!と思い立ったとしても、

人生を思い出し思い出し描いていては、

加筆・修正が破滅的な量になってしまいます。

 

なのでまずは【人生年表】を作成しましょう。

 

Wordでも何でも構いません。

生まれた日時、その日の天気など、

自分の人生に関して集められる限りの情報を集め、

それをPDFにまとめておくのです。

 

人間は毎日何かしらを経験しますから、

こういった細々した体験なんかも、

随時追加していくことで、

簡易的な日記としても役割を果たしますし、

自らの感情を分析することで、

消費心理の理解にもつながります。

 

形式はやりやすいようにやっていただければいいのですが、

とにかく【詳細に】がポイントです。

これをやらなければ何も始まりませんからね。

ストーリー・ライティング基礎、開始。

物語を描く、大まかなステップはこうです。

 

◆テーマを決める。
→今貴方が最も伝えたいことをテーマに。

◆【型】に当てはめて、人生を切り取り、編集する。
→リズム感を大切に、読みやすく短文で区切る。

◆数日経ってから加筆・修正を行う
→忘れた頃に読むと、極めて客観的に修正できます。

 

大まかに見ればこの3ステップでストーリー・ライティングは

構成されています。

1つ1つ解説していきましょう。

テーマ設定

物語で伝えることは、原則一つに絞ります。

2つ以上を伝える方法もありますが、

まずは1つを伝えられなければ、多面的に描く事はできませんからね。

 

テーマを決めるときに必要なことはたった1つ。

【物語を読んだ読者さんに、どんな行動をしてほしいか?】

です。

 

これを考えれば良いだけ。

例えば、『物語を読んでメルマガに登録して欲しい』

のであれば自分のメルマガの素晴らしさを伝えるべきなので、

自分の過去なんてのは脇役にすぎません。

よくある構文であれば、

 

「私はかつてこれほどどん底にいました、、、

ですがある方のメルマガに出会い、人生は一変。

こんなにも人生は素晴らしくなりました。

私は今、その方から学んだ内容をメルマガで発信しています。

公式LINEではないのは集中してゆっくり読んで欲しいから。

さらっと流し読みで吸収できるほど、薄い内容ではないので、

メルマガを契約して、配信しています。

たった1通で私は人生が変わった。

あの快感は何物にも変えがたくて。

でも、言葉では伝わりにくいのが事実。

1通で良いので読んでみてください。

人生が変わる快感。私が貴方にご提供します。」

 

ってな感じです。

かつてのどん底は少しで良いのです。

それはテーマではありませんから。

 

はっきり言えば、文章なんて短いに越した事はないんです。

長い文章なんて読む気は起きませんから。

だから必要ないところは省いていいんです。

 

その代わり、テーマに関してはあます事なく良さを語り、

伝えたいことを伝えるのです。

物語における『過去』は『未来』を効果的に伝える

伏線の1つにすぎないんですから。

伏線を張るだけで30分費やした映画なんてつまらんでしょう。

序盤で飽きますよね。

 

そんな文章を書いている人が多いのが現状です。

いらないところは削り、テーマにフォーカスしましょう。

【型】に沿って編集

さて、いよいよ気になっている『物語の型』ですね。

面倒な前置きは無しでささっといきましょ。

 

=-=-=-=-=第一章=-=-=-=-=

 1. 日常の世界(これまで自分がいた場所。クソみたいな過去)

2. 冒険への誘い(あたらしい世界の入り口との出会い)

3. 冒険の拒絶(葛藤、恐れ、ネガティヴな感情)

4. 賢者との出会い(冒険を許容する出会い)

5. 第一関門の突破(いざ、冒険へ!)

=-=-=-=-=第二章=-=-=-=-=

6. 試練を通して仲間と出会い、敵対者出現(切磋琢磨する関係性、負けられない)

7. 未曾有な危険への接近→嫌な予感がする(伏線)

8. 最大の試練→ギリギリの戦い。勝つか負けるか...

9. 報酬→試練を勝ち抜き、手にしたもの、感情。

=-=-=-=-=第三章=-=-=-=-=

10. 帰り道(報酬を手にした帰り道)

11. 劇的な復活(試練で失ったものが帰ってくる)

12. 宝を持って帰還(ハッピーエンド)

=-=-=-=-=終幕=-=-=-=-=

 

これが基本的な物語の【型】です。

ほとんどの人が『第一章』しか使えていないのがわかりますね。

第一関門を突破したところで物語が終わっている人が

圧倒的に多い。

 

ちなみに、12段階ありますが、

全てを使う必要はありません。

貴方の人生や経験で存在したところだけを

切り取って使えば良いのです。

 

よりざっくり物語を説明すれば、

『経験に基づく感情の高低ともたらされた結果』です。

何かを経験して、渦巻く感情・葛藤があり、

その結果どんな行動を経て、

何を手に入れたのか。

これがこの【型】の大まかな流れです。

 

先ほど「メルマガ登録」の例も、

この【型】に沿ったものになっていますよね。

そしてテーマに合わせた編集を行うことで、

伝えたいことが明確になり、

文章がスッと入ってくるのです。

 

この物語の【型】に合わせて、まずは「プロット」を作ります。

大まかな構成を作るのです。

 

自分はどんな日常世界から、どんな冒険に誘われて、

どのように冒険を拒絶し、何に出会ったのか。

その出会いでどんな関門を突破したのか。

 

大まかな骨組みをここで組み立てていきます。

あらすじにして見ると非常にわかりやすくなるので、

大まかにテーマに沿った骨組みができたら、

あらすじを描いてみましょう。

 

あらすじを描き終えたら、

伏線の張り方やそれが起こった時間や日にち、

当時の周りの風景や自分の感情など、

細かな部分を肉付けして「プロット」を作ります。

 

こうなればすでに編集は完成したようなもの。

あとは、自分の言葉で、

時系列順に伏線を張ったり回収しながら、

物語を書いていくだけです。

加筆・修正

一発で面白い物語が描ける人間はそこまで多くありません。

ましてや初めて書くというのであれば、

加筆修正は100%必要だと考えています。

 

数日や数週間経った後で、

もう一度自らの文章を見直し、

無駄に長い部分を修正したり、足りない描写を加筆します。

加筆・修正で注目すべきは『テーマが明確かどうか』です。

 

テーマの伝わりやすさを阻害する要素は

削らず残しておくと冗長で面倒な文章になります。

1文が長過ぎる場合も、短文にして区切れないか考えましょう。

伏線を張って、回収せよ。

伏線は、物語を描く上で「読み手を飽きさせない工夫」として

かなりメジャーなものです。

 

ですが、伏線の存在を知っていても

その伏線をどのように張るかというロジックは

ほとんどの人が知らない内容になっています。

なぜか。

【真っ当な物語を語る人間が少ないため】であり、

【物語を語る人間は人前にあまり現れないから】です。

 

私にも数名、小説家として生きている方がいらっしゃいますが、

彼らは部屋に閉じこもって書くか、

テーマに沿ったキャラや主人公の生活をトレースすることで

忙しい毎日を送っています。

...

 

まあ、そんなことはどうでも良いですね。

とりあえず、『伏線の張り方』に関しては語られないことが多いのです。

なぜなら『伏線を張るための確固たる理論がない』からです。

 

そもそも『伏線』とは何なのか。

それは【現在語っているエピソードの別の側面を見せる技法】です。

裏エピソードのチラ見せなんです。

 

例えば、『〇〇は、「フッ」と笑った。』

なんて言えば、「何で笑ったんだ?」ときになりますし、

この不気味な笑いに、どんな意味があったのかを

後々説明して、それが物語の中で大波乱を巻き起こせば、

それが伏線回収なのです。

 

伏線になりうるものを抽象概念でご紹介すると、

行動、物品、家族、発言、癖、病気、比喩、噂話、特技、場所、生い立ち、過ち、願望、仕事、言葉、謎、表情、目標、特徴、物、病気、欠点、恋愛、相談、人物、たまたま聞こえた音etc...

といった感じです。

つまりは『あらゆる場所』に伏線を置くことができます。

エピソードではなく、裏エピソードが垣間見える部分なので、

現在のエピソードに全く関係ない要素が、

突然出てくることもポイントになります。

 

「私は、絶望していた。借金400万円だ。

私の収入は月にせいぜい20万円程度。

毎日スマホを見て過ごす日々。

仕事になんていきたくない。つまらない。

どうでも良いYoutubeの広告も、

飛ばさずにぼーっと眺めてしまう。

 

赤字を伏線に、後で『広告で流れてきたビジネスとの出会い』

があれば伏線は回収されるわけです。

これが面白いかどうかはさておき...

伏線回収というのはこういう技法です。

 

後で言うことを、先出しでチラ見せする。

「目の前は暗闇」ですが「チャンスは目の前にあった」という

2つの構造が対比する状態です。

そもそも『変化』と言うのはそもそも『欠乏と満足』という

2つの概念の間でしか起こり得ません。

 

足りないから手に入れたい。

そういう感情が人間を駆り立てるわけです。

なので、『欠乏と満足』という二項対立は、

そのまま伏線に用いることができます。

あらゆる物語を単純化すれば【欠乏から満足へ】なのです。

 

例えば、欠乏の話をしているときに、

後々『満足』につながる出会いが起こる場所や

その予兆としての行動をちらっと見せておけば

それが伏線となります。

ない場合は無理して作る必要はありませんがね。

 

欠乏状態である『過去』において、

満足状態を作りうる『現象』が起こっている。

それを「たったの一文」でちらっと見せる。

特にそれが表情や感情であれば、

なおインパクトの強いものになります。

ファーストシーンがもたらす予感

読者を引き込むファーストシーンは、

どれだけその文章に没頭してもらえるかという

非常に重要なポイントを担っています。

 

「これからどうなるんだろう。わからんけど面白そうや」

そう思わせたらファーストシーンはその役割を果たしています。

ファーストシーンには大きく分けて4つ。よく使われる手法が存在します。

登場人物説明

これはインパクトは小さいが、静かにゆっくり、

穏やかにはじまる物語には適したファーストシーン。

私の1日は、一杯のルイボスティーから始まる。

遅くとも6時には起床する。

お茶を飲みながら着替えを済ませて、

書斎でパソコンと睨めっこだ。

タイピングは早い方で、寿司打の自己ベストは

平均キータイプ12/秒だ。

という感じ。あくまで自己紹介文であり、

物語の穏やかな始まりを演出できる。

理解できない会話

読者が初見では理解できない会話を繰り広げることで、

よくわからないが、これから何か起こりそうだぞ。

という予感を与えることができる。

「おい。お前!お前だよ!」

大将は大声で叫んだ。

「なんだよ...もう構うなっていっただろ...」

「うるせえ。お前、俺のキュレルどこやったんだ!」

「え...あの...チーズケーキの...」

ちなみに、キュレルというのは敏感肌用化粧水などを

中心とした花王の美容商品です。

わけのわからない会話は読者に謎を残します。

 

この会話での意味不明さを解決するために、

読み進める読者も少なくないでしょう。

時間軸に従う

時間軸に従い、物語を最初から書き始めるものです。

どこかへ出向くシーンや何かを行うシーンが多いので、

この先何かが起こることを予感させることもできますが、

長すぎるとクソつまらなくなります。

碓氷粋優の家は田んぼに囲まれた場所にあった。

辺鄙で人っ子一人いやしない。

「ああ、今日もつまらなかったな...」

そう呟きながら粋優少年はとぼとぼと帰路を辿る。

「また、家に帰ったら...」

そんな不安を抱えながら歩くのだ。

家へ出向くと何があるのか気になりますよね。

このように『何かが起こりそうだ』と予感させやすく、

自らの経験を描写しやすいので商売には向くファーストシーンです。

これもインパクトは少ないが、

穏やかは情景描写をすれば落ち着いた雰囲気を醸し出せます。

いきなりビックリ展開

今回紹介するファーストシーンの中で最もインパクトが強く、

何かが起こる予感というよりは、

何かがすでに起こったからここからどうなるか...

という続きを読みたくなるようなものです。

「なんだこれ!」「訳がわからん!なんで!?」

という驚きから始まるので、引き込みとしてはかなり有効です。

目を見開いた。

何度も瞬きした。

「信じられない...」

その瞬間、頭の中は真っ白になった。

「なんでこんなことになったんだ...どうして...どうして!!!」

私の切り刻まれた心は、どこかへ消え去るところだった。

読んだところで、何が起こってどうなっているのか

全くわかりませんが、とりあえず何かが起こっている。

 

サスペンスなどの物語では、最初に誰かが殺されているなど

殺人のシーンから入ることがあるが、

それがこのファーストシーンに相当するものになります。

ただし、商売ではなかなか使いにくいのでご注意を。

【喋りさえも上手くなる】

物語の構成というのは、

ほぼ普遍と言っても過言ではないほどです。

聖書やクルアーンもこの【型】を用いて描かれます。

 

テーマを設定し、それについて物語で伝える。

この修練を繰り返すだけで喋ることもできるようになります。

喋れれば、セミナーにも登壇できるし、

コンサルテーションの際、営業の際も圧倒的成果を残せるでしょう。

 

私は文章を書いて、企業相手にお喋りするだけで

一般的なサラリーマンの生涯年収の10倍を一年で稼ぎます。

その『根本』となっているのがこの【物語の型】なのです。

なんら難しいことはなかったでしょう。

知っているかいないかで大きく差がつくのですよ。

 

さて、ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。

物語を語ることは商売の基本とも言えます。

物語が書けないと、これから商品を売っていくのは

どんどん難しくなるでしょう。

プロセス・エコノミーがアウトプット・エコノミーを

圧倒し始めていますから、

物語という『プロセスを語る』形式は

これからどんどん価値を持ちます。

 

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それではメルマガ、もしくはSNSでお会いしましょう。

改めて、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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